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石巻農学① 開催レポート

2018年7月8日、石巻市農業担い手センターにて、「石巻農学① 車座座談会」を開催しました。

石巻農学①

「石巻農学」とは、地域の農業を「知る・学ぶ・つながる」機会を創出するための企画です。ここ宮城県石巻市は、漁業や水産加工の地域でもありますが、農業も非常に盛んな地域。ただ、他の地域と同様に若手の就農促進や、放棄地の活用なども未来に向けての課題になっています。そのような状況を改善していくための企画とも言えます。

そこで、今回は2014年に就農し、宮城県南部の村田町で農業を営む村岡農園の村岡次郎さんをゲストに座談会を開催しました。

ご参加いただいたみなさんは、すでに農業をやっている方はもちろん、これから農業を始めたいという方、行政の方、そして漁師の方まで様々な方にお越しいただきました。

せっかくの機会、かたい場ではなく、ゆるやかな出会いの場とするべく、村岡農園さんのお野菜を持ってきていただき、スタッフ・参加者一緒になってまずはお昼ごはんの準備を。

今日のメニュー:村岡さんの野菜のサラダ、北上でいただいた蟹汁、夏らしくそうめん!】

夏らしいお膳を囲んでいよいよ座談会もスタート! まずは、村岡さんのプレゼンテーション

・大学時代に参加した講演会で百姓の奥深さに魅せられ、将来は農家になることを決意 ・海外で有機農業やファーマーズマーケット、CSAについて学び日本でも取り組む ・公私共に、持続可能性を考えながら、身近なものでの暮らしを実践する

というのがお話の概要ですが、もう少し詳しくご紹介させてください。

【右が村岡農園の村岡次郎さん】

今は、有機農家として毎日を過ごす村岡さんですが、大学では商学部に。 ただ、子どもの頃から農業は身近にあり、関心はあったそうです。

”2005年、福岡県有機農業研究会のシンポジウムで、日本の有機農業御三家のひとりと呼ばれる宇根豊さんの言葉を耳にし、「百姓」の奥深さに魅せられ「いずれ、30歳くらいで農業をやろう」と心に決めたんです。”

大学を卒業してからは、東京の青果専門貿易商社で働いたり、大学時代にインターンをした福岡の農業コンサルタントの会社に勤めていたものの、東日本大震災を機に、仕事を辞めたそうです。

”メディア上や、1か月ほどボランティアに訪れた際に被災地の光景を目にして、自分が何をすべきかを考え直したんです。命はあっという間に終わる。やりたいことがあるならば、今やるべきだ、と。”

その後は、福岡の有機農家のところで、半年間研修した後、大学時代にも数ヶ月研修をしたアメリカのJAECという団体の研修に参加し、1年半、西海岸3か所で有機農業、CSA、ファーマーズマーケットについて学びながら、栽培についてもあわせて勉強したとのこと。(2013年)

【ファシリテーターを務めてくださった石巻・田伝むしの木村さん】

帰国後は、被災地の雰囲気が気になり、改めて東北を訪れる中で、いろいろな人と話して、色々と考え、宮城で就農をすることに。そんな中、宮城農業公社を訪れ、秋保か、村田で迷ったものの、野菜の有機農家がいることが決め手になり、村田で就農を決め、「やります!」と言ったら、家探しのサポートもあり、いよいよ「村田でやろう」と、とんとん拍子に移住したのが2014年5月のこと。

就農2年ほど経った2016年1月、イタリアの食の魅力を耳にし、イタリアの農業を知りたいと1か月ほどWWOOFを利用し、イタリアの中部へ。

2016年9月には、スローフードの祭典「テッラ・マードレ=サローネデ・グスト」の日本代表に選ばれ、トリノへ。100万もの人が集まるイベントを目にし、それだけスローフードというのが、力のある動き、意味のある動きであるということを再認識したそうです。

翌2017年5月には、2週間iLEAPというアメリカの団体の食と農のリーダーシップ研修に参加するなど、国内外でオーガニックや地産地消の動きを体感してきた村岡さん。

“就農したときから、販売は対面で、というやり方にしていたが、個人、今の環境での限界を感じていました。村田の役場前でもやっていましたが、歩く人の数も限られており、限界を感じていたんです。そこで、有機農業を広めたい、という想いも含め都市部で開こう、と決意しました。”

【アメリカでの色々な事例もご紹介いただきました】

ただ、その魅力を伝えるのは一筋縄ではいかない、ということで、アメリカで実際お世話になったファーマーズマーケットの方などを招き講演会を広くなど、徐々に共感の輪を広げていきました。

そして、いよいよ体感してきたことを形にしよう、と2018年6月から、JRの仙台駅のEKITUZI Farmer’s Marketを農家6軒で、毎週土曜日開催することに。

現在就農5年目となり、5反部の畑で野菜をメインに50品目以上を育てながら、可能な限り種取りも行う村岡さん。猪などの獣害対策として、狩猟なども行うそうです。

“今住んでいる家は、築80~100年くらいの古民家です。持続可能性、身近なものでの生活を、という視点で暮らしています。例えば、水を一つとっても、身近な井戸水で暮らしてみると、自分の生活と資源の関係性が見えてきて、どう水を汚さないようにしよう、といったことなどいろいろなことの大切さが見えてきました。過去のものだけど、新しいなと思いながら日々過ごしています。”

+++

というところで、村岡さんのお話は終了。

ご参加いただいたみなさま、ありがとうございます!

*執筆後記*

お話の面白さはもちろんですが、やはり、みんなで一緒に調理をし、実際に育てた方のお話を伺いながら食べる野菜の味は格別でした。

次回以降も、このような形でご参加いただけるみなさんと一緒に場をつくっていきたいと思います。

石巻農学①のレポート後半では、質問コーナーの様子を中心にお伝えします!

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